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地域情報化論考

CANだけじゃ足りない!地域再生のために

2003年3月 2日 23:30

地域活性化と地域情報化やCANというのは結構セットで議論されることが多い。でも、実際ネットワークだけで地域が復興したといえるところがあるかといえばおそらくNOだ。
経済的観点から見た場合、CANというのはいわば域内の情報やお金の流れを制御したり効率化したりするもの。それ自身が何かを生み出しているわけではないと思う。
言い換えれば域内の経済で非効率だったことを上手に回すだけのことである。ものの回転において、摩耗するものは摩耗するので、やっぱり外から何か入ってこなければ、地域経済は事実上、縮小していく。おまけに、インターネットのようなネットワークの出現で、域間のネットワークが、ここまで効率化すると摩耗どころか流出が始まり、結局、田舎は寂れるというオチに行きつく。
コミュニティーだ地域通貨だ何だと叫んだところで、外貨を稼げないと地域は寂れる。これだけは変わらない事実だ。

地域にとって外貨を稼ぐ方法なんかは限定されている。

  1. 公共事業を誘致する
  2. 企業のブランチを誘致する
  3. 地域に外貨を稼ぐベンチャーを作る

この三つぐらいだろう。

このバブル崩壊のご時世において、1、2は非常に絶望的な手法といえるだろう。
そうすると必然的に残る手法は3。おまけに、誘致のための造成だのビル建築だの余計なお金が掛からない分、自治体から見てローコストで生まれ、ハイリターンともいえる外貨を稼ぐ可能性を持つベンチャーは魅力的だ。
では、どういう企業が「その地域で」外貨を稼ぐといえるだろうか?

ベンチャーは4つに分けて考えよう

ベンチャーというと、ITベンチャーだとかBIOベンチャーのように「取り扱い品目」で種別を区切ることが多いが、地域の特性に応じてベンチャー企業を分類して考えることが地域を経済的に再生させるのには重要といえる。
本社(企業のコア機能)の立地条件と主力製品の市場特性で分ける事が重要である。
本社立地という観点は、立地条件が原材料等の制限で制約を受けるかどうかである。
いわば、どこでも立地できるものは「立地グローバル」、どこでも立地できるわけではないものを「立地ローカル」としよう。
市場特性という観点は、その事業展開が域内に限定されるかそれとも広いエリアで受け入れられるものかで分けて考えよう。域内限定のものを「市場ローカル」、域内限定されないものを「市場グローバル」としよう。この条件が、いわば外貨を稼ぐかどうかを分けるといえる。

そうすると、次の4つに分類される。

  1. 立地グローバル、市場グローバル
  2. 立地グローバル、市場ローカル
  3. 立地ローカル、市場ローカル
  4. 立地ローカル、市場グローバル

1は、普通のソフトウエア系のIT関連の企業はこれに当たるといえる。
外貨は稼ぐものの、どこに立地しても良いということは、その地域をさっさと見限るリスクがあるといえる。地域おこしのつもりでいっぱい誘致したり起業させても、先々いなくなる可能性がある企業群だ。○○バレーの類で、一時うまく行っても、将来はその起業家個人の地域への愛着に頼るだけである。
これらはいわば、「グローバルベンチャー」といえる。

2は、スーパーマーケットや商店街の小企業群、買いまわり系のベンチャーや一部の福祉関連サービスなどが当たるだろう。CANを入れることで、地域内の流通効率などが上がることはあるだろうが、地域内の富全体を向上させることは残念ながら少ないといえる。ここまで、縮小化した日本の田舎にとってこれらはいくら増やしても、富の奪い合いにしかならない。3も、2と同様といえる。
これらの事業で、生まれるベンチャーは「ローカルベンチャー」といえる。

「グローバルベンチャー」はいつどこに去っていくか分からないし、「ローカルベンチャー」は外貨を稼がない。すると、地域が欲するのは外貨を稼ぎ、かつ外へ逃げていかないベンチャー。ローカルとグローバルの中間。いわばグローカルなベンチャーだ。そうしたグローカルベンチャーが地域再生の切り札といえる。
そして、それこそが4だ。立地がローカルで市場がグローバルな企業だ。
しかし、そんな都合の良いベンチャーがあるのだろうか。
仮に存在していたとして、日本の疲弊した田舎にそんな会社が生まれるものだろうか。

そして、岩見沢

CANフォーラムの活動に長く関わっていらっしゃる方であれば北海道岩見沢市はおそらくご存知だろう。光ファイバーでのインフラ構築や市民向けの情報センターの構築など、いわゆるCAN構築を積極的に行ってきたエリアだ。実はここにネイチャーテクノロジーというハーブを素材に使ったDGDS(ドラッグガスデリバリーシステム)という技術をコアにした、まさに「グローカルなベンチャー」が存在する。
現在、そのDGDSを用いて作られた製品である「健康香料」が、全国の薬局薬店などで販売され、ネイチャーテクノロジーは非常に驚異的な成長をはじめている。岩見沢に莫大な外貨をもたらし始めているのだ。
このDGDSは簡単に言うと、薬を揮発させて皮膚呼吸で人体に摂取させる技術。で、それで一番のキーを果たすのがハーブである。岩見沢はこの技術の肝であるハーブを育成するのには最適の環境なのである。DGDSを活用するこの会社にとって、基本となるハーブを生育できる自然環境こそが立地条件といえる。そして、そこから生まれた製品は、全国の市場で通用するまさにグローカルなベンチャーである。
しかし、この程度の自然環境だけでグローカルベンチャーがドンドカと生まれるものでもない。
実は同社社長の刈田氏が起業の際に岩見沢に目を付けたのは、自然環境もさる事ながらすでに構築された情報インフラにあった。全国の市場を相手に活動する以上、情報インフラがしっかりしていなければ、そんな田舎には立地できないということだろう。あとは、市の担当者の熱意が勝負だったようだ。
いわば、「地域の自然」と「地域の人の熱意」と「CAN」が生んだグローカルベンチャーといえる。
地域の活性化には、CANだけでは足りない。しかしながら、CANが無ければ始まらないのである。ただし、CANの活動や地域活性化の活動において、こうした「外貨を稼ぐ」という観点が非常に重要である。ただただ、地域のニーズを単純に組むだけでも足りないのである。(それすらやらないのは論外であるが)

試されつづけた大地からの答え

まさにこの岩見沢モデルこそが、情報画一化、助成金漬け交付税漬け、土建屋依存etcといわれた、日本の様々な地域を救う一つの答えといえる。
技術区切り製品区切りによる○○クラスターも結構だが、こうした個々の自治体が元気になり、その相互の関連で本当に地域に根差し、長期的に見て地域の活力になる産業群の構築こそが、日本の再生を握るのではないだろうか。
この岩見沢モデルこそが「試される大地」といわれつづけた北海道からの全国の地域への回答。日本再生のベストモデルだ。■

【参考】ネイチャーテクノロジー株式会社
http://www.nature-technology.com/

先生に聞いちゃった。教育と情報化

2003年1月 2日 23:30

北海道旭川市の凌雲高校といえば、地元では100校プロジェクト参加高校ということで、ちょっとは知られた学校です。
そして、これをリードした数学教員の奥村さんは、地域の情報化まで手がけるほど地元では有名人。ルックスは、非常に温厚で誠実な数学教師なんですね。なんか、そういうことをガリガリやっている感じには見えない人物であります。
その、(私の地元)旭川の有名人は、なんと今年から、北海道内有数の進学校札幌北高校へ異動になってしまいました。ホントは、地元旭川の情報化の展望とか聞こうと思ったんだけど、この際なので、奥村先生の考えとか情報化のありかたをみたいなことを、漠然と黒ビール飲みながら聞いてきました。

■元々は教育の一環ではじまった
「旭川の奥村先生」で有名な奥村先生がコンピューターを教育に使い出したのは、名寄農業高校時代だそうです。「名寄農業時代に生徒の方が自主的にコンピューターを使いたいと言い出したのが、情報教育に携わるようになったきっかけ(奥村先生)」というように、はじめにコンピューターありきではなく、いまいちやる気のない生徒の自主性を引き出すための一手法だったそうで、ちょうど農業の情報化などとあいまって、有効で実践的な教育となったそうです。ちなみに私の中学校のときにいた学区が名寄農業と一緒だったので、同級生で進学した連中もいたりして、ちょっとうらやましい気もします。

■転機は100校プロジェクト
そんな、奥村先生の転機になったのが、文部省と通産省(当時)が共同で推進した100校プロジェクト。いわば、混乱のドサクサで良く体制の固まっていない自分の学校のなかで、その勢いを認めさせてしまったというのが実情らしい。あとは、勢いに任せて「いけいけGOGO!」というわけではなく、結構慎重に推進して行ったようです。
それも、そのはず、「ネットという環境だけでは、生徒に活用されない(奥村先生)」からだ。たしかに、活用できる生徒も少なくはないが、「活用されるように、教育する側にも一定のフレームワークが必要」となるそうだ。ここで、ポイントとなるのが、あーしろ、こーしろというカリキュラムを決めることではないということ。
結局「カリキュラムをこなさせるのではなく、自分で考えさせることが大切」。すなわち、考えるための場のようなものをつくることがポイントとなってくるそうです。生徒と一緒に考え、挑戦するという、いわばPDS(Plan-Do-See)サイクルを一緒にまわすことが大切なのだ。そうして、このサイクルのいわば熱い坩堝に、イマドキの冷めた生徒を放りこむと、自分で考え、自律し、リーダーシップをとれる人材が生まれてくるそうです。
ネットというものを通じて、こうした人材育成が行われてきた部分こそが、凌雲高校の情報化教育のコアといえる部分といえそうです。

■情報教育の基本はナレッジマネジメント
情報教育のPDSサイクルを回していく上で、「情報教育においては、いままでの教育で事実上全く考えられていなかった、情報の『共有』『蓄積』『継承』に気をつけた(奥村先生)」。これを聞いたとき、これって、まさにいま企業で求められている、ナレッジマネジメントそのものではないかと、やや驚いてしまいました。
と同時に、こういうセンスを持った人材が奥村先生の手を通じて生まれてくることが非常に楽しみに思えてきました。教育に限らず、日本企業においてもナレッジの共有が全くなされず、知識関連産業の停滞が目に余るのも実情。その原因は、現場のスタッフがこういったセンスを持たないからというのも大きいのです。
「生徒たちは、そのままでは雑誌とかどこかで聞いたことを真似るばかり」で「自分たちの分を超えたことをしてしまい、うまく回らなくなることのほうが多い」ので、学校という環境におけるプロジェクトである以上、成功企業の事例を単純に真似たところで、限界が簡単に見えてしまうということです。こうした知識のマネージメントがあってこそ、より効率のよい優れた情報化のための手法も生まれてくるといえるでしょう。

■モチベーションを生み出す教育から
で、なにゆえ、今年から札幌北高校なんでしょう?と聞くと、「実は、旭川を離れたくないんで、校長に転勤の希望高校を聞かれたときに、ランクの高い、(先生方にとっての)人気高校を吹っかけてみました」と、意地悪そうに笑って答えてくれました。通ってしまった以上「進学校でこの(凌雲高校で確立した)フレームワークが通じるかどうか試したい」と、野心的なこともおっしゃっていました。特に、奥村先生が気にしているのは、いままで比較的モチベーションの低い生徒に、モチベーションを植え付けるための情報化教育だったのを「北高生のようにすでにモチベーションがある程度ある」生徒にどこまで通用するのか、また、「先生方もルーチンワークが確立してしまって、それ以外に手を伸ばしにくい」現状でどこまで通用するのか、課題は多いが是非ともいままでの奥村先生のように「しれっと」「なにごともなかったように」実現していったもらいたいものです。

今回は特に直接CANの話題ではないが、やはり万事が人材ということはいえるのではないでしょうか。これから奥村先生が育てた人々が世に出て、地域情報化のリーダーとして、また産業界のキーパーソンとして活躍して行くであろうことを期待しています。
あ、当然、学校の先生として活躍する人もね。

牛と人と松茸と 北の村のCAN

2002年11月 2日 23:30

北海道の北のはずれに西興部村というのがあるのはご存じでしょうか?というか、読み方分かりますか?
「にしおこっぺ」ですよ「に・し・お・こ・っ・ぺ」。
しかも、北海道で一番人口の少ない村だそうです。
酪農と林業の村で、右を見ても左を見ても山の中。
が、しかし、2002年4月、この村で凄いことがおきました。なんと、村の全家庭にFTTH(Fiber To The Home)が入っちゃったんです。

このニュースを聞きつけて、先日紹介したC-Storyをつくっている会社の社長にお願いして無理やり連れて行ってもらいました。旭川から、車を飛ばして約2時間30分。西興部村に着きました。
とりあえず西興部のWebで調べた特産品と名物をチェックして(というか、村長ラーメンをたべて、マツタケ焼酎をかっただけですが)、村役場へノーアポ突撃取材を敢行しました。村の企画係長の佐々木さんに丁寧に対応していただき、FTTH導入までの経緯とその活用方法を詳しく教えて頂きました。

元をたどれば、平成元年、この村の中にCATVを持ちこんだことがきっかけだそうで、今回のFTTHはそのインフラリニューアルという形で、平成10年から開始したそうです。
ちなみにFTTHのバックボーンは衛星でした。もっと無関係な「ちなみ」の話をすると、この平成元年は、この地域の名物の、日本最北のマツタケで作った焼酎(マツタケ取れるんですって)やら、ドナルドソン虹鱒などができた年でもあるそうです。

この情報化とセットとなるセンターとして、森夢(リム)、木夢(コム)、IT夢(アトム)という施設が連動しています。森夢はホテルで、ロビーでただでネットが楽しめます。木夢とIT夢は一緒の施設で、木夢は木のおもちゃが楽しめて、IT夢はゲームなどITなおもちゃで遊べるアナログデジタルミックスなセンスを持った子供を作るにはぴったりな環境とも言えます。家庭、IT夢、木夢というなかでただのIT屋ではなく地元の良さも同時に理解出来る子供が増えると良いなとおもいました。
個人的には、IT夢にはヤル気がなくなってしまった、AIBOの「ラッテ」ではなく、レゴのマインドストームシリーズを置いて欲しいなと思ったりましました。

次に、FTTHが来ている各家庭に目を向けるとしましょう。こういう、線だけ引っ張った地方自治体のCAN構築ってのは、線だけ引っ張っておしまいってのが多いんで(ましてや助成金ものだしね)、ねちねちと聞いてやろうと思ったら、地域ならではのキラーアプリケーションをきちんと用意してありました。

1.牛舎監視
さすが酪農地帯。ブロードバンドなストリーミングが必要不可欠に違いないですね。首都圏じゃあんまり必要ないけど、ここじゃ必須。
村では、これを発展させて、酪農業に必要なデータ提供や経理機能の提供など、一種のASPのような形で村の産業の情報化も進展させていくそうです。
「そんなASP、民業圧迫だー!」と一瞬、思いましたが、個人的に作ってペイする自信がないので、あんまり圧迫にはなってないか。だいたい、ペイするならだれかやってるじゃろ。

2.医療診断サービス
村は当然広いし、御多分に漏れずこの西興部村も高齢化が進んでいるということで、遠隔地の医療てのが問題になっています。TV電話や、データを転送してくれる血圧計等を活用して、村唯一の診療所で色々な健康管理をしてくれます。

3.地元イベントのVOD
帰省シーズンに最も人気のコンテンツだそうです。VODと聞くとなんか、著作権がどうのだの決済機構がどうのだの議論になりますが、地元のイベントのVODなら、そんなことに誰も目くじら立てないみたいです。村を出ていった若者達が帰省するたびに、親の家のFTTHでこれを楽しむってのも、変わってるような気がしますが。舟橋家ではFTTHどころかPCすらありません。

コンテンツは上記3本柱をもとに、年々拡充して行く形をとるようです。CANごとのコンテンツのありかたを見て行く上でも、こういう事例の定点観測は大切かな。ちなみに、さらに、注目点が二つ。

1.全戸にリモコンで使えるTV接続可能な端末配布!
って、単に以前自分が開発に携わっていた「iBOX」が、全戸にあるということで、とっても嬉しかったりします(笑)
専用端末を開発した側の意図としては、実際にこういう風に利用してもらいたかったのでとてもありがたかったりします。

2.移住体験プラン
この移住体験プラン、FTTHの入ったとても広いお家が、月四万円で借りられます。良いと思いませんか?
いきなり移住して来て仕事なーい、うまくいかなーいってならないように、まず住んでみましょうということで、面積53.86m2の広さのFTTH付きコテージを用意してくれるとのこと。IT事業者であれば、夏だけそこで仕事するってのもいいかも。フナハシドットコムでは夏だけ開設する、西興部事務所の野望がメラメラと燃え上がってきました。当然一緒に行った方も、「西興部支店を作ろう」といっているくらい。

結構、見所満載の田舎の村のCANでした。確かに、細かいところで不備が無いわけじゃないし、もっと言えば、ノーアポ突撃だったので、突っ込んだことも聞き切れなかったのですが、今後、定期的に見てみたいなと思う村でした。あ、月四万だから、ときどき住めばいいんだ。

ラップで楽しいCAN作り

2002年9月 2日 23:30

ラップといっても、決してノリのいい音楽の話ではなくて、LAP(ローカルエリアポータル)のお話です。ポータルってキーワードが流行った頃には、ちょくちょく耳にしたのですが、最近ポータルブームが終わったせいか、あまり耳にしなくなりました。

ローカルエリアのネットユーザーが使うサイトの入り口ということで、色々チャレンジはあるんですが、意外に上手くいってるところって少ないようです。
大抵のLAPはポータルブームの時に生まれたので、どうしても「ポータル=Yahoo!」となりがちのようで、「地域のWebリンク集のキレイなの」程度で終始しているのが大半です。
もちろんこれでも十分価値はあると思います。地域にたくさんWebサイトがあるのなら、ですけど。

実際、田舎で自分でWebを作ってる人の数って、地域ごとに区切ってしまうと、そんなに多いわけじゃないんですよね。
東京の地域ポータルなら、人口もいっぱいいるから、それで上手くいくだろうけど、1万人、10万人程度の地域でそれをやっても厳しいかなぁと思います。だったら、Yahoo!で調べるよってなもんです。

それんじゃぁ、「LAPなんざ不用じゃん」という話にもなりますけど、個人的にはやっぱり有ってもらいたいです。でも、僕が欲しいとおもうのは、あくまで地域の人がまずはじめにアクセスするページであって、リンク集じゃないんです。CAN的LAPというか、いわばコミュニティポータルみたいなもので、その地域ならではのテーマがあって、地域の人やその地域の応援団が一緒に作るようなサイトがあれば良いなと思うんです。

そういう意味で当たらずとも遠からずということで、今回はそんな「CAN的LAPかな?」と思えるものを見つけたので、紹介したいと思います。

私の生まれは北海道は旭川というところなんですが、その私の故郷の「旭川おもしろまじめまちづくり」というテ-マを持った地域型コミュニティポータルサイトが「C-Story(http://www.c-story.net/)」です。ここの運営は、実は一私企業。「まちづくり」というマジメなテーマなんだから、公的機関や、そういったものが関わっているのかと言うとそうでもなかったりします。個人的にはこれが非常に気にいってます。ちなみに私はここをポータルサイトのひとつにしてます。

僕が気に入ってる点を列挙すると

  • 地域ならではの実情を踏まえている
    旭川が今置かれてる中核都市としての立場や現状を踏まえて、旭川のあるべき姿を追いたいという理想がちゃんとある。
  • テーマが単純
    一見高邁そうな理想だけど、考えは単純。あんまり小難しいことを考えずに「街をああしたいこうしたい」ということを、みんなから吸い上げることを目的としている。だからこそ、地域の人、元地域の人でも、まちづくりのための提言コミュニティとして活用できる。
  • 具体的なアクションプランがある
    言いっぱなしで終わるのでは、コミュニティにおいても物足りなさがある。「アトリエC」というカンバン広告を作ってしまったり、ブランドを作ってしまうような活動など、公的機関ではできないが、目に見える活動を織り込んでいる。
    いわば、「ネットコミュニティ→リアルコミュニティ」というながれを地域コミュニティにまで持ちこもうという考えだ。一般に地域コミュニティの場合、既存のコミュニティの枠の中でネットの活用が目立つが、既存の枠組を壊してまちづくりを議論しようとする挑戦とも言える。
  • 収益性がある
    私企業運営なので、金儲けをばっちりするという姿勢が大好き。バナーだけではなく、先のアトリエCなどはのちのビジネスにつながるものでもある。地域貢献は必ずしも無料奉仕だけではないはずである。お金が回る地域社会を作ることも大切だと思う。是非とも儲けてもらいたいものだ。
  • テーマにそって努力を惜しまない運営
    リンク集を作るのではないので、自分たちなりのテーマに沿った情報を掲載する必要がある。これと決めたキーパーソンへのインタビューでもなんでも手間暇は惜しまないというのも見逃せない。多くの失敗したと目されるLAPの大半は、リンク集でしかないのにもかかわらず情報更新を怠ったために萎んだといえるものも多い。
  • 大きなサイトのパクリじゃない
    ポータルだからといって、過去の事例をパクらなかったことは凄く評価できると思う。コミュニティとかポータルってキーワードの本質を踏まえた上で、それぞれ独自で作っていくことが大切ではないか。
    当然、過去の事例に学ぶべきではあるけど、そのまんまパクってもしょうがないっしょ。「C-STORY」はサイトは重いし、操作性も「?」な部分もあるけど、良く考えて努力していると思う。

「C-Story」の好きな部分をちょっとだけ列挙したけど、具体的なこの成果が出るのはまだまだ先のことなんだろうなと思う。
でも、ここの運営している会社は欲張りで、旭川のまちづくりだけでは飽き足らず、南の美瑛富良野方面のポータル化も目指しているとか。
企業ができるCAN活動って、意外と色々あるのかも知れない。
もし、CAN活動を志向していて、そのポータルサイトがうまくいかない方は、参考にしてみてはどうだろうか?役に立つ要素は沢山あると思う。当然パクっても上手くは行かないとおもうけど。

ネットワークはハコモノの世界へ

2002年7月 2日 23:30

なんか変なタイトルですけど、「IT政策なんて、ケーブル付けたりなんだりで、結局従来型のハコモノ行政とかわらんじゃん」って、お国をどうのこうのと批判しようというわけではないんです。

最近、ルータ内蔵ファイアウォールとか、1Uラックの大きさのメールサーバーとか、ハードとソフトとセッティングが一緒になった製品って、よく見かけますよね。こういうのをアプライアンス製品といって、最近では、こういう箱を買って来て、線を繋ぐだけでサービスの提供が出来ちゃうんです。
インターネットが始まった頃って、こういう専用機には批判的なムードがあって、ローコストなPCにいろいろ必要なものをインストールして使う、PCサーバなんかが流行ったりしました。クライアントの機器なんかもそうですよね。インターネット専用STB(セットトップボックス)なんかがまともに売れるようになってきたのは最近だし、i-modeなんかもある意味そういう代物ですよね。HTMLの規格が定まって何年も経ってではあるけれど、ようやく専用の箱がいっぱい出来てきたってことでしょう。

でも、サーバーサイドの処理って、まだまだクライアントに応じて開発してる部分が多いですよね。サーバー用のアプライアンスが普及してきてるのは、きっとネットの世界で人間がやることやれることってのが、明文化されてないけど固まってきた部分もあるんでしょうね。
言われて見れば、Javaなんか、てっきりアプレットで普及すると思っていたら、ちゃっかりサーバーサイドのプログラム言語としての地位を確保してるし、データベースも何だかんだ言って、RDBMSであれば問題のない状態になってきてるし、細かい技術をみても、少しづつ世の中標準化してきている。
こりゃ、ネットワークを構成する物が、どんどんハコモノになってもおかしくはないですよ、きっと。
いままでは、ソフトウェアを買って来ても結局使わなかったり、パソコン持ってないのにソフトだけ買っちゃう(ウィンドウズ95の騒ぎが懐かしい)なんていうことが起こる世界だったけど、これからは、電器屋さんいって、箱を買えばなんでも出来る時代なるんだろう。

~とある電気店にて~
店員「いらっしゃいませ。今日はなにをおもとめですか?」
客「うちも、オンラインショップを開こうと思ってさ」
店員「それでしたら、こちらのショップデッキがお勧めですよ」
客「ほう。でもちょっと形がねぇ」
店員「こちらは一番人気なんですけど。でしたら、こちらのデッキはどうでしょう?フォルムが個性的で一味違うショップをお求めの方には人気がありますよ」
客「じゃ、それを買おう。いくらだい?」
店員「ただいま、セール中でして2割引にさせて頂いております。あとですね、セキュリティ強化月間でして、こちらのファイアウォールデッキをセットでお求め頂くと、こんな値段になります。」
客「いいねぇ。取りつけ料はいくら?」
店員「取りつけ料は勉強させていただきますよ(笑)ところで、お客さん、デッキを繋ぐ線は足りてますか?線は申し訳ないですけど別料金なものですから」
客「そうなのか。まぁ、こんなにまけてもらったから。ついでに買っておこう。どれが良いかね?」
店員「こちらの24金の線の1mくらいでいいかと思いますけど。」
客「あっちの銅線じゃダメなのか?」
店員「ダメということはないんですが......」

というような、テレビや冷蔵庫を買うのと全くかわらない感覚で、オンラインショップ用のWebサーバが買える時代になるに違いない。そうすると、きっと、いままでみたいに訳の分からないソースコードの権利がどうの、製作に掛かる見積もりがどうのということを気にせずに、気楽にネットのビジネスをはじめられるようになるんだろう。(もっとも、私はそれでご飯を食べているわけであるが)

こうなると、別段技術者がいなくても、コミュニティの人達が電器屋におかいものに行けば、すぐにCANがつくれっちゃう。難しいことが抜きで、だれでもCANのメンバーというわけ。
それでもし、そういう「ハコモノ」ネットワーク製品が主流になる世の中になったら、日本が天下の時代に戻れるかもしれない。だって、テレビや冷蔵庫みたいに工業製品を作るわけだから、世界のトヨタ様のやるような生産方式でジャンジャンとコストダウンして効率的に作るだけだし、中途半端にお客の世話をする必要もないから、意外と儲かるよ、きっと。

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