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学問とか連携とか

親学?

2007年4月26日 10:14

何でも、最近とっても物議をかもし出し続けてくれる(=マスコミの話題に事欠かなくしている)教育再生会議様が「親学」なるものを提言したそうな。
「親学」というものをしっかりと構築して、世間の人に教育していくこと自体はとっても賛成だ。僕自身、子育てに対して愛情不要論者であり、取材活動や自身の子育て経験から子育てというある一定の技術だと確信しているからだ。

なので、当然ある種のベターな手法の体系は構築できるわけで、そういう学問体系や実践体系を医学と医療のようにきちんと構築した上で、きちんと教育していくことは可能だし、僕自身はそれこそが最も重要なことだと思っている。
なので、今回の「親学導入提唱」自体はとっても大賛成なんだけど、中身を見るとかなり激しくガッカリ。
もう、ステレオタイプ的な親像をつぎはぎにしてくっつけて、ただ羅列しているだけ。

正直言って「馬鹿の所業」としか思えない。親学という体系をまずはしっかりと確立するところから始めるべきで、なんかの思いつきで親のやることを羅列して暗記することが親学ではない。これが学問の従事している大先生方が寄って集ってやっているとすれば、もう噴飯ものだし、日本の学術のレベルが知れるというものだ。いわば高度な生物学であり、高度な医学であり、高度な心理学であり、高度な社会学であるはずだ。親子関係も、親を取り巻く環境もきちんと客観的に考慮して検証すべきだ。親学とうたうなら、その学問体系はそうしたものの学際領域であるはずである。
それに対して、そんな思い付きの羅列でそれが済んでしまうという脳みそが信じられない。要は、「日本人にとって学問とは、適当な物事を羅列して暗記することだ」と、偉い先生が声高に言っているようなものである。

海外なんかに配信されたら、親子関係の問題で国辱ものというよりは、こういう学問体系に対する理解に関しての浅はかさで国辱ものだ。
まずはお前らがまじめに現代の社会環境で子育てしろ。しかる後、ちゃんと学問体系を構築せよ。
政策に組み込むなぞその後だ。拙速を絵に書いたような愚策は勘弁願いたい。

個別活動も大事だけど戦略性も大事

2007年4月 6日 10:02

僕が詰めてるわくわくセンターは、安城市の中の公園のとっても素敵な一隅にガラス張りの建物の中にある。
この公園、見本林的な性格もあって、様々な木々が植わっていて、様々な動植物が生息している。安城は、僕の住む一部地域を除けば、基本的に明治用水が引かれた後に開発された荒地だったので、ないところに新しい植物を植えていって作った公園という訳だ。

自然そのままではないとはいえ、こうした自然の営みを観察できる所も少なくないので、環境首都を目指す安城市としてはとても優れた教育ポイントだったりする。
が、残念なことにそうした活動でそれほど活用されては来なかった(ここ1、2年は頻繁に活用されているんだけど)。

実は、安城にもこういう立地を活用しようという努力がなかったわけではない。
その1つの事例が、秋葉公園-都市公園観察ノート(現在市のサイトリニューアルでダウンロードができません)だ。平成16年3月発行。かなり前の代物だ。

しかし、これは非常に出来自体は秀逸で、一般的な科学教育ツールとしてみても完成度は高い。作ったのはそこいらの地元ボランティア団体というから恐れ入る。当然今でも活用できる。なので、来館の小学生や親子連れには積極的に配っている。
大学もない田舎の人々が作ったとは思えない仕上がりなのは確か。身近なものを科学するツールとしてはこの上ない。
大学がやっている様々な地元に根づかない高度なネタを無理に突っ込んで、現実遊離の科学を紹介するだけの活動よりはよっぽど優れている(高度なネタを突っ込んでも現実遊離しない素晴らしい事例もあるんだけど)し、有名な○○先生の科学ショーなんざをするよりは、よっぽど優れている教材である。
地に足のついた科学体験とはまさにこのこと。
この本を持って、読みながら公園一周して書き込んで、自習するだけでもかなり役立つ。いい大人でも「なるほど」とうならせるものがある。

が、非常に残念なことに、この冊子、ほとんど利用されてないんだな。実はセンターの裏にもたくさんある。去年結構頑張って公園に来る親子連れなんかにも配ったんだけど、焼け石に水。
多分、この冊子作る予算は作ったけど、活用する予算を組んでないんだろうなと。結局2年も塩漬けってことなんでしょうね。ツールはツール。作ったツールは活用してナンボ。どんなにいいツールでも無駄になる。

何をするにも、戦略は常に必要なんだろうなと。とはいえこの辺、市役所には戦略的活動は期待できないので、観察にいい時期になってきたので、地道にセンターで配るとするです。

学ぶべき共通語は

2007年3月28日 09:57

最近、何が何でも英会話って風潮が周りで強い。で、学校教育じゃ英語しゃべれないし、教室通わせなきゃねってのも良く聞く。あと、算数やら数学なんか大人になってからモノの役には立たないという声も聞く。なので、総体として、学校の勉強は役立たずという風潮になって、学校に対して斜に構える人が続々と増えてくるわけだ。

こういう声を聞くと、軽薄に英会話を駆使して海外旅行をする人々と比べて、明治時代の元勲どもは、役に立たない無能っぷりだったわけだ。と、反論したくなる。海外の知識を持った明治の元勲は多いけど、外国語をしゃべれないやからは少なくなかった。でも、海外の事情は彼らのほうが精通していただろうし、もっと言えば外国人の尊敬をちゃんと集めていた。
英語を使いこないして軽薄に旅行する連中は、買い物は出来ても、外国人から尊敬を集めることは出来ない訳だ。尊敬は買うものじゃなくて、軽蔑は買えるってのもあるんだろうけど。

で、明治時代のヘボン門下の人々が、ヘボンを驚かせたのは、彼らの物理学や数学などの科学的知識が豊富だったことに他ならない。彼らの間の共通言語は、英語ではなく、数学などの科学知識を伝達するための形式言語であったのだ。
裏を返せば、英語が出来るよりも重要なのは数学などの論理的な形式言語をどれだけ使いこなせるかに他ならない。

実際に、外国人のプレゼンテーションなどを見ても、ほとんどムービーで英語等の外国語不要で理解できるものばかり。要は重要なことというのは、ほとんど、決まった文脈やら形式で伝えられるということだ。

すると、海外で活躍する上で最も重要な言語は、何かというと、英語なんぞはどうでも良いということになる。少なくとも英会話に固執する必要はない。筆談が出来ればよい。
実は、全世界共通の言語は論理という形式言語だ。これさえあれば、実際に世界中どこに行っても通用する。
母国語の発音や最も基本的な発想法はもうどうしようもない。が、論理だけは年を食ってからも学習で身につくし、これをもって辞書でも引き引き筆談すれば、十分ビジネスはやっていける。

学校の勉強は役に立つ。受験勉強に学校側が無意味に迎合して暗記に走らなければ、である。そのとき最も重要な「論理」を学べる教科が数学であり算数なのだ。これを軽視する大人は、自らがビジネス社会で負け組入りを宣言しているようなものだ。
習い事などいらない。受験もいらない。まずはまじめに論理を身につけさせるように学校側と協力して、きちんとした数学の授業を行わせるべきだ。これこそが、子供たちが学ぶべき世界共通言語なのだから。

想いを受け継ぐ

2007年3月24日 09:46

先日、待ち合わせに1時間ほど待った挙句に結局来なかった子がいた。
正直、そのときは「自分でお願いして連絡も無く来ないなんて、なんじゃこいつ」とか思った。でも、まぁ、待ち合わせ場所が自分にとって遠路でもないし、ほとんど気にしないで忘れていた。
で、その相手のmixiメッセージが今日突然来たので、なんじゃなんじゃとか思って開いてみた。そしたら、ご家族の方からで、その方が既にご他界されていた旨の連絡だった。
葬儀やらなんやらがひと段落してから片付けている最中にmixiというモノを知って、自分の子がmixiで色々と連絡を取り合っていたとのことに気がついて、アポをすっぽかしてしまっていることについての連絡をくれたのだ。

ご家族の心中を推し量ると、如何ともしがたく、ご冥福をお祈りするしかない。生前の自分の子どものことをもっと把握したかったという親御さんの無念の想いもお察しするしかない。
なので、ここでBLOGのネタにするというのも実はものすごく礼を失する行為かもしれないが、僕の中で彼女のことを何らかの言葉にして残してあげたいと思うわけだ。

彼女は、「科学と社会の繋ぎ役になりたい」との想いを持っているとのことで、友人の紹介で飲み会の席でお引き合わせいただいた。
僕自身がどの程度繋ぎ役になっているかはともかくとして、多くの友人知人がそういう活動や職業に身を投じて頑張っているので、そういうことはご紹介できるかなぁという程度の気分でそれとなく連絡を取り合ってきた。

ご自身、ライターとしても活躍され幾つかの記事を書いた実績もお持ちだった。ただ、未だ大学生だということや、科学技術をテーマにするという点ではまだまだの所もあり、科学と社会のつながりを研究したり実践したり出来る大学院の進学も希望されていたようで、色々と調べていたようだ。一応、科学技術コミュニケーション関連講座というものについても、僕自身それ相応に情報を持っていたので、色々情報は提供してきたつもりではある。
たまたま、ご本人が私が非正規で勤めている大学のそういう講座に興味を持ったらしく、一度相談にのってくださいとのことだったので、一度愛知で打ち合わせしようということでアポを取っていた矢先の出来事だった。

自大学の科学技術コミュニケーションの活動に関しては、厳しいことを言って歩いてきたけど、それは期待の裏返しなので、彼女にはぜひとも本学のその大学院に行って、活躍してもらいたかったなぁと思う。お会い出来ていたら、そうやって悪いと思うところ所は悪いと思うところ所でお話した上で、「うちの院はいいぞ」ってお勧めしたと思う。

私自身、人の親なので、親御さんの気持ちを思うと何とも切ない。と、同時に未だ志半ばで生きている人間なので、彼女のように志半ばで他界されるという彼女自身の気持ちも思うと何とも切ない。

偶然出会っただけの縁だけれども、こうした想いは少しでも忖度して、次の世代に良いものを残す義務はきっとあるんだろうな。特に、彼女に近い思いのある人たちはそういう活動をより真剣にやっていくべきだろうし、人の親であればこういう悲しい親を作らない安心安全な社会を目指していかなきゃいけない。
想いを受け継ぐってのはそういうことなんだろうな、と思う。

コリャなんだ

2006年9月 5日 13:18

今朝、下の子を送った帰りに、保育園の先生から「これお願いします」と書類を渡された。
んで、こいつを見ると、某大学の臨床心理学のM2の子のリサーチというわけなんだけど、内容としては「子育ての意識調査」の類だったりする。
アンケートをする、という行為や、うちの保育園でするということ自体に目くじらを立てる気は無いんだけど、ちょっと内容に唖然としてしまった。

なんというか、典型的な偏向した前提によるアンケート項目の立て方だったりする。で、おまけに、どう見ても何かの仮説の検証のためじゃなくて、明らかに「なんか取ったらなんか分かるだろう」的な適当な設計。
「こいつはこれで修士取る気かいな」というか「担当教官はこれで修士出す気かいな」とか、うそでも自然科学で学士を取って、人文科学系の研究で修士を取って、現在、社会科学系の研究所の客員研究員なんかやってると、驚いてしまうわけだ。いくらなんでも、社会科学をなめるなって感じ。

大雑把に明かすと、男尊女卑が日本の家庭にあるに違いないという偏向したアンケート項目に満ち満ちたアンケートを男女別にやらせて(聞く内容は男女で違い、女性のほうの質問項目は倍の分量)、3ヵ月後に、もう一度アンケートを取って、その意識の変化を見るという代物。しかも、男女は別々に集計し夫婦間の相関は見ない。

そもそも、アンケート項目が男女別というのもかなり話としておかしい。普通に考えて、科学的調査の前提として差異を見出すためには、両者同じアンケート項目を立てて、統計的な差異を見なければならない。子育て意識に関する差異に関しての、統計的でオーソライズされた研究はついぞ見たことはない(定性的な大雑把な聞き取り調査形は見たことはあるが)。とすると、アンケート項目を別々に立てている時点で、アンケート項目設定者の意識的でかつ偏向した「男女に関する子育ての差異」に関する思い込みがあるということに他ならない。
もっと言えば、夫婦セットでの統計を取るのではなく別々に統計を取るという時点で、家庭内の夫婦関係と子育て意識の醸成という最も重要なポイントをはずしている。人間の意識ってのは、接点となる対象者によって影響される。子育てにおいては、少なくとも、子供自身のほかに配偶者に影響されるというのは、火を見るより明らかだ。配布するときに、夫婦セットで配布するなら、それぐらいの仕掛けは施すべき。
もっと言えば、3ヶ月ぐらいでそんなに意識は変わらないし、このアンケート項目で、有意に人間の心理がどのベクトルに変化したかということを見出せるとは思えない。

で、おまけに呆れるほど偏向した質問項目の数々。たとえば「子供のためなら、どんなことでもするのが母親である」という項目。ちなみに、セットで「子供のためなら、どんなことでもするのが父親である」という項目でもあれば、話しは通るがそういう項目はない。この「母親は献身しろ」に丸をつけたときに、丸をつける側としては、「母親が献身して、父親はしなくて良い」という人と「母でも父でも献身するのはあたりまえ」という人が混在する。
他にも「子供を育てるのは社会に対する女性の勤めである」とか「母親が子供を置いて外出するのは、子供がかわいそうだと思う」とか、とにかく母親像の偏向したものばかり羅列されているも、単に両親がやらねばならないことであって、母親に対してのみ役割のオンオフが論じられる内容ではない。
まさに分かりやすい男尊女卑的質問項目。そんなことぐらい、いまどきの親は理解しているもんだ。

実用性でも使えなけりゃ、学術的にも使えない。物事を決定する議論の基礎になるべき大学で、こんな研究繰り返しているあいだは、子育て関連のサービスも政策も生まれて来やしない。なんとも、暗澹たる気分になアンケートだ。

政策決定者もそうだけど、大学研究者もいっぺん子育てやったほうがいいわ。今回のアンケートが如何に無益で馬鹿馬鹿しいということぐらいわかってもらわないと困る。

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