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人文学の現在

2012年6月24日 18:06

医療活動を通して日常的に市民の皆さんと接している生命科学系分野や、発明・発見の成果を社会に還元していく自然科学系分野などと比べると、私たち人文・社会科学系分野の社会貢献活動はあるべき姿を描くことは容易ではありません。(P.204、あとがき)


まぁ、確かにそうですね。でも、知財と言う観点でも攻め手はたくさんあります。こういう講演会活動がいかんという意味ではありませんが。むしろ使う側の、文系という学問への思い込みのせいでしょう。
そういう意味では、実にこういう書籍を多々出すのはいいことであります。

そうした種々の魅力を、現代社会の、より多くの人びとに理解してもらうために、文学研究者には、一層の努力と工夫とが、求められているのではないでしょうか。(P.177、文学研究の意義とよろこび)

という一層の努力の一環です。ちなみ、内容は非常に興味深いものが多く、みんなが興味を持ちやすい、ケータイや映画の話題

ケータイ通話が「うさんくさい」イメージから、「なくてはならない」存在の方にシフトし始めたのが、一九九九年頃と見てよいでしょう。(P.67、1996年から2000年までの恋愛ドラマに見るケータイ利用とその分析)

船舶や航空機で、海を渡り、南の島々へと拡大していった帝国日本のエネルギーとその実際の経験が、戦後のゴジラ映画史の背景となっているのです。(P.197、東京湾から南洋へ)

やら、結構ハードな哲学的なものや、歴史的背景に沿ったものなど。

美学がそもそも何なのか分からなくなっている理由は、端的にいって、美学がすでに過去の学問となったことからきています。(P.31、美学という学問への問い)

アスクレピオス崇拝は、病の治療と滞在中の非日常的経験による心身のリフレッシュを行い、願いが成就した暁にはそのお礼参りを行うという民衆の生活に密着した巡礼活動であった。(P.128、アスクレピオスの治療祭儀とエピタウロス巡礼)


この本は、本書にもケータイの話題を寄稿している中村先生から寄贈いただいて読んだものであります。久々に学びになるいい一冊でした。


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