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落日燃ゆ

2012年4月22日 00:55

「どうも自分は大物と思わなくちゃならないらしい」
広田は、面会に来た家族に苦笑してつぶやいた。
「かんじんの連中は、みんな自殺したりしてしまったからね。無責任だよ、みんな」
(P.299)

NHKの大河の原作にもなった一冊。東京裁判で唯一文官で死刑になった広田弘毅の小説。物申す感覚が起きない。外交官とはかくあるべしというのを、国家の形のとしての欠陥を抱える中で、本当に頑張った人なんだろうなと思わせてくれます。

「私の在任中に戦争は断じてないことを確信しているものである」(P.149、昭和10年の議会で)

外交官も政治的な力や背景をもたねばならぬ(P.39、中国問題で政府の強硬条約をとめられなかったことに対し)

善き戦争はなく、悪しき平和というものもない。外交官として、政治家として、戦争そのものを防止すべきである。(P.336)

これだけ頑張ったのに、戦争は始まる。

「目先ばかり見て、勢いのいいところにつこうとする。ああいう軽率な連中に国事を任せては、日本はどこへ行くかわからん」(P.162)

「長州のつくった憲法が日本を滅ぼすことになる」(P.163)

でも、概ねみんな負けることは分かっていたんだよね。あと、本編をよんで、天皇陛下の発言は気になる。

「軍の出先は自分の命令をきかず、無謀にも事件を拡大し、武力をもって中華民国を圧倒せんとするは、いかにも残念である。」(P.103、天皇)

「軍部においては、機関説を排撃しながらも、このように自分の意思にもとることを勝手にやるのは、朕を機関説扱いにするものではないか」(P.158、天皇)

最上位者が全部コントロールしていというか無視されてるって...。どんな国家だったんだか。
彼の思想で、現代人も受け継ぐべきなのは、二つかと思う。

「われわれは祖先から二千五百年の遺産を受け継いだのだから、これを二千五百年後の子孫に伝えるべき義務がある」(P.53)

「人間短所を見たら、どんな人間だってだめだ。逆に、長所を見て使うようにすれば、使えない人間は居ないんだ」(P.161)

長期と短期。こういう視点は持って生きていかないとね。おっかさんの思想が一番好き。

「弘毅が選んだものに、反対することはありまッせん」(P.28、母タケ、広田のお嫁選びで周りの反対に対し)

こう言う事ができる親でありたい。この責任感は尊敬すべきなんだろうな。僕もこうありたい。

「陸軍で起案しようが、だれが起案しようが、わたしは総理大臣として、あの国策を決定しました。全責任は私にあります」(P.347)


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