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大切なのは媚びずに堂々と。

2007年6月27日 10:28

最近、世間様はミート社さんの偽装のおかげで、食の安心・安全についてで大騒ぎです。
アレルギー等の話はありますが、基本的にここの製品を食ったことによる病人も死人も出ていないという事実からすると、実際は、安心はさておき、安全にはあまり関係の話題ではないと判断するのが普通なんではないかと。

で、この問題で、社長さんが「消費者も悪い」という発言でたたかれております。この社長の発言で唯一そのとおりあんたは正しいと思っている発言だったりします。ただ、その立場の人が言うのはいかがなものかとは思いますが。
たとえば、この会社は表記の偽装はしているものの、衛生管理等は安全な食品を作ってきたわけです。そういう意味では、実際に病人を出した雪印事件とは若干性質を異にします。いわば安全な食品ということを自分で考えて判断しないで、変な情報を鵜呑みにして、その情報に適合した表記をしている食品だけを、ヒステリックに買い漁る、という行為をしている消費者が多いのが現実です。そういう消費行動が、あるある事件を生み出しているし、こういう、表記偽装の大元にあります。

ちなみに、合法的表記偽装なんていくらでも出来ます。宇治茶は宇治産茶葉では作られてはいません(加工地名を名乗っています)し、主原料を輸入材料でつくっても、その中に日本産の材料を少し混ぜて、日本で加工処理をすれば、大方国産品になります。
これ以外にも、勘違いを生む様々な表記に関する手口は書き連ねるとキリが無いくらい。

で、企業はどうするかというと、売り上げが欲しいので、消費者が買ってくれるような表記になるように、合法的に最大限工夫するわけです(今回の社長はあからさまに違法なのですけど)。表現を変えると、売れるために商品そのものを偽って、消費者に媚びるわけです。で、媚びられた消費者は、その商品をホイホイ買うわけです。ホイホイ買ってくれるから、また表示偽装という手法で媚びるわけです。
何でそこまで媚びるのかというと、お金が欲しいのもあるけど、消費者が怖いからです。ちなみに、中国産野菜なんて、マスコミであれだけたたいてくれたおかげで、消費者がヒステリックに不買しましたので、多くの大手スーパーで探すのが困難なほど消えてしまいました。あるある事件で消費者ががんがん買ってくれた、納豆なんて、激しく売れ残りです。

なので、消費者が変われば企業も変わります。で、消費者は変わってきています。ヒステリックに行動するというところは残っているけれど、正直な表記だけが見たい、という欲求は増えています。

今回も、「牛肉コロッケ」でやるんじゃくて、ただの「コロッケ」で、安くておいしい訳ありコロッケですと、正直に売っていればよかったのです。はじめから、何を入れているか堂々と語ればよかったのです。消費者はヒステリックだけれどもバカではありません。そういう訳を教えてくれれば、それを読んで考えて判断してくれます。

会社名は伏せますが、以前一緒にお仕事をした酒造で、東南アジア産の米を主原料にした大吟醸を販売したところがあります。1Lパック千円。飲みましたが、すごくおいしい大吟醸でした。東南アジアの安い米と特殊な技術と安い労働力を活用して、主たる大吟醸酒を作って、風味調整のため、日本に持ってきて少し日本産の米で作った大吟醸酒をブレンドしたものです。
原産国を堂々と表記しましょう、と提案したのですが、結局、世に出たときには原産国表記はなしになってしまいました。要は、そんな国名のお酒を出したら、消費者に受け入れられないという、消費者に媚びた判断でした。

こういうことは昔から日本の食品業界じゃ普通でした。たとえば合成酒。理化学研究所が特許を持っていました。科学の力で生活の向上に資するお酒を造れないかという挑戦でした。堂々と「理研の合成酒」と売ればよかったのに、特許切れになったときに、似非日本酒を造る技術として活用されてしまいました。「日本酒」は消費者受けするけれど、「合成酒」は消費者受けしないという、目先の消費者への媚びです。2級ウイスキーというものは、その昔、モルト原酒が一滴も入っていなくても、ウイスキーと名乗れました。ウイスキーという呼称が消費者受けしたからです。そのためのロビー活動までして法律を作って合法的偽装表記を行います。

今、消費者はその頃ほどバカじゃありません。今、市場をリードしている食品は大方訳あり商品だけど、訳を明示している商品群です。たとえば発泡酒や第3のビールなんて、偽ビールとたたかれていますが、安い理由をはっきり示して、消費者の信頼を勝ち得ています。今、消費者は、単に、同じもので安いほうを選ぶ、という行動をしていません。安い場合になぜ安いかを明記してくれているかどうかで判断し始めています。

消費者も確かに悪いのですけど、怖いからと言って媚びる、企業も当然悪いのです。
消費者はマスコミの言うことばかり鵜呑みにしてヒステリックに判断しない。企業は消費者の判断力を信じて媚びない。それぞれこれを心がけさえすれば、こういう事件はそのうち消えてなくなります。
あとは、マスコミさんもちったぁ科学的な判断をもって物事を報道してくれないかなぁ。今回は食の安心を揺るがしはしたけど、食の安全は結構揺らいでいませんから。

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