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2006年9月のアーカイブ

内紛よりも選挙民の気持ちを考えよ

2006年9月 7日 13:21

かの白洲次郎のエッセイ集である「プリンシプルのない日本」に出てきた一節である。
最近、組織内外の大小の選挙にかかわることが増えてきたが、この言葉はまさにそのとおりである。

最もこの観点で、今、非難したいのは我が故郷の市長選挙のごたごたがそれである。
私はすでに同地の選挙民でもなければ、各派閥、各陣営とも、顔見知りはいるものの選挙という点では無縁であるのであえて書かせていただく。
この市長選で、一度はいわゆる保守陣営からは清冽な2名の若人が立起した。1名は前回の市長選挙戦で数百票の僅差までいった人物。もう1名は市議会議員選でトップ当選の人物。若いとはいえ、市の舵取りの信託を受けるに足る人物にほかならない。また、故郷の友人知人に聞く限りにおいても、この選挙に期待する声は大きかったのは確かだ。

が、自由民主党は信じられぬ愚行を犯した。なんと、市民に支持をされ自主的に立起した両名を無視し、密室で選考した市民の支持もろくにないどこの馬の骨とも知らぬ候補を立てたのだ。挙句に、この候補を統一候補だのと騒ぎ立て、1名を出馬辞退、もう1名を離党へと追い込んだ。まさに「内紛よりも選挙民の気持ちを考えよ」といわねばならぬの事態である。この内紛に選挙民は呆れ、今故郷に帰れば大半が白けムードである。

白洲はこんな状況をどう思うんだろう。まぁ、天下国家を論じてきた彼には一地方の首長選挙なんか小さなことなのかも知れない。
しかし、戦後、戦争を主導する発言をしてきた政治家が改めて出てくることを非難し、弱腰外交であってもプリンシプルを通すことを主張してきた彼にしてみれば、ここの自民党のやりようは恥ずべき状態だ。大体もってバブル期に無策に公共事業誘致ばかりし健全な経済の構築をせず、教育において偏差値教育を無意味に推し進め、子どもが夢も持てない地域政治を作ってきた戦犯ともいえる政治関係者が何時までも地方政治にしがみつき、加えて、外圧があっての弱腰でやむを得ず調整候補を出すならいざ知らず、外圧も無くほうっておけばプリンシプルの通る選挙戦が出来る所を、意味も無くプリンシプルを曲げる政党や政治関係者たち。

いったい、白洲次郎を抱擁した吉田茂他の大政治家を輩出してきた自由民主党はどこへ行ってしまったのだ。自由民主党は戦後の混乱から国家を組み立てる課程で、いったい何をしてきたのだ。全く持って「プリンシプルのない日本」であり、その相似系の「プリンシプルのない地方」である。

このプリンシプルなく、選挙民の気持ちより内紛を優先するという事態に対して審判を下すのは選挙民である。この審判を適切に下せなければそれは選挙民自体の責であり、自民党の責ではないということになる。自分の故郷の人たちに適切な審判を下す理性があることを信じたい所だ。

コリャなんだ

2006年9月 5日 13:18

今朝、下の子を送った帰りに、保育園の先生から「これお願いします」と書類を渡された。
んで、こいつを見ると、某大学の臨床心理学のM2の子のリサーチというわけなんだけど、内容としては「子育ての意識調査」の類だったりする。
アンケートをする、という行為や、うちの保育園でするということ自体に目くじらを立てる気は無いんだけど、ちょっと内容に唖然としてしまった。

なんというか、典型的な偏向した前提によるアンケート項目の立て方だったりする。で、おまけに、どう見ても何かの仮説の検証のためじゃなくて、明らかに「なんか取ったらなんか分かるだろう」的な適当な設計。
「こいつはこれで修士取る気かいな」というか「担当教官はこれで修士出す気かいな」とか、うそでも自然科学で学士を取って、人文科学系の研究で修士を取って、現在、社会科学系の研究所の客員研究員なんかやってると、驚いてしまうわけだ。いくらなんでも、社会科学をなめるなって感じ。

大雑把に明かすと、男尊女卑が日本の家庭にあるに違いないという偏向したアンケート項目に満ち満ちたアンケートを男女別にやらせて(聞く内容は男女で違い、女性のほうの質問項目は倍の分量)、3ヵ月後に、もう一度アンケートを取って、その意識の変化を見るという代物。しかも、男女は別々に集計し夫婦間の相関は見ない。

そもそも、アンケート項目が男女別というのもかなり話としておかしい。普通に考えて、科学的調査の前提として差異を見出すためには、両者同じアンケート項目を立てて、統計的な差異を見なければならない。子育て意識に関する差異に関しての、統計的でオーソライズされた研究はついぞ見たことはない(定性的な大雑把な聞き取り調査形は見たことはあるが)。とすると、アンケート項目を別々に立てている時点で、アンケート項目設定者の意識的でかつ偏向した「男女に関する子育ての差異」に関する思い込みがあるということに他ならない。
もっと言えば、夫婦セットでの統計を取るのではなく別々に統計を取るという時点で、家庭内の夫婦関係と子育て意識の醸成という最も重要なポイントをはずしている。人間の意識ってのは、接点となる対象者によって影響される。子育てにおいては、少なくとも、子供自身のほかに配偶者に影響されるというのは、火を見るより明らかだ。配布するときに、夫婦セットで配布するなら、それぐらいの仕掛けは施すべき。
もっと言えば、3ヶ月ぐらいでそんなに意識は変わらないし、このアンケート項目で、有意に人間の心理がどのベクトルに変化したかということを見出せるとは思えない。

で、おまけに呆れるほど偏向した質問項目の数々。たとえば「子供のためなら、どんなことでもするのが母親である」という項目。ちなみに、セットで「子供のためなら、どんなことでもするのが父親である」という項目でもあれば、話しは通るがそういう項目はない。この「母親は献身しろ」に丸をつけたときに、丸をつける側としては、「母親が献身して、父親はしなくて良い」という人と「母でも父でも献身するのはあたりまえ」という人が混在する。
他にも「子供を育てるのは社会に対する女性の勤めである」とか「母親が子供を置いて外出するのは、子供がかわいそうだと思う」とか、とにかく母親像の偏向したものばかり羅列されているも、単に両親がやらねばならないことであって、母親に対してのみ役割のオンオフが論じられる内容ではない。
まさに分かりやすい男尊女卑的質問項目。そんなことぐらい、いまどきの親は理解しているもんだ。

実用性でも使えなけりゃ、学術的にも使えない。物事を決定する議論の基礎になるべき大学で、こんな研究繰り返しているあいだは、子育て関連のサービスも政策も生まれて来やしない。なんとも、暗澹たる気分になアンケートだ。

政策決定者もそうだけど、大学研究者もいっぺん子育てやったほうがいいわ。今回のアンケートが如何に無益で馬鹿馬鹿しいということぐらいわかってもらわないと困る。

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