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微生物ハザードの恐怖

2005年6月23日 16:44

最近、仕事で食関連のことにかかわっている。
そこでよく出てくるものが二つあって、一つは遺伝子組換食品、もう一つはEMを中心とした有用微生物群の話。大方の話を要約すると、「遺伝子組換は悪」「EMは善」短絡的な思い込み。

1.遺伝子組換の食品は安全性評価が不十分(と思われる)。
2.遺伝子組換の植物の種子は風に乗り広まって、遺伝子汚染が広がる(可能性がある)。
3.よって、遺伝子組換の推進は止めるべき(に違いない)。

この3段論法は、ある面で非常に正しい。
これを主張する人は、次の3段論法をどう思うだろうか?

1.土中微生物環境が変遷した後の植物が産み出す代謝物の評価は不十分(少なくとも遺伝子操作食物より検証は不十分)
2.EMをばら撒くことによって土中微生物環境が変遷する(遺伝子組換えされた遺伝子が広がるより圧倒的に高い確率で広がる)
3.よって、EMの推進は止めるべき

実は、この3段論法への反論の多くは
・EMは天然物だから、天然物と植物の相互作用だから安全な代謝物になるはず
(1への反論)
・EMは天然物だから、土中微生物の生態系を再生するだけで破壊しない
(2への反論)
というもの。

多くの天然物毒は、青酸カリをも凌駕する殺傷力を持つ。人工毒なんてかわいいもんだ。これをなぜ彼らが産するかといえば、他の天然物から身を守ったりテリトリーを保護するために作っている。いわば、もともと危険であれ安全であれ、代謝物というのは、自分以外の天然物との相互作用で生まれるものだ。

ブラックバスは天然物だが、日本の生態系を徹底的に破壊してきた。マルハナバチは養蜂を助けるため、マングースは沖縄のハブ対策に。多くの帰化植物、帰化動物はそうして、日本の環境をぶち壊してきた。
微生物生態系というのは非常に微妙で、未解明な部分は多いが、そういう生態系があるのははっきりしている。極論すれば、その地域にない種菌で構成されているEM(EMの出自のストーリーをよく読めばそれは一目瞭然)をばら撒くというのは、その生態系に、ブラックバスを放つようなものである。微生物系が一様になれば、その上の植物や小動物の系も一様になる。そしてその上のそれらに依存する生物群も当然一様になる。根底から再起不能なぐらいに、徹底的に生物多様性を破壊する手法でもある。
天然物ではあるが、その地域にはいない外来種なのだ。

確かに、土中微生物が育たないほど汚染された土中に対して、ある程度投じるのはやむをえないだろう。しかし、すでに豊かな農作物が育つ地域でそんなものをばら撒くのはどうかと思う。
微生物ハザードと呼ぶ以外ありえない。

土中の性質を均一化し、生物多様形を崩壊させ、作られる農作物の味を均一化(農作もとの味は、種よりも土と育て方で決まる側面が大きい)する。こんな社会が、安心安全といえるのだろうか。

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