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ポストユビキタスの胎動

2004年1月 1日 12:00

2004年をようやく迎えた。インターネット技術が生まれ、商業化し社会の基礎インフラとしてドンドンと広がりを見せている。
ここ2年間のキーワードの一つはユビキタスだった。無線IP技術の発展を受けて、携帯電話を中心に、多くの人々が「いつでもどこでも」のネットワークに参画してきた。
そして、技術先行というわけでもなく、多くのニーズを発掘しそれらをユビキタスなサービスへと消化して、多くのユーザーにとって便利なネットワークへと進化している。

このようにとても便利なユビキタスネットワークだが、今後の発展において問題がないわけではない。

およそ三つがあげられる

1.情報爆発に伴う情報流通に耐えうるネットワーク

2.情報爆発に伴い、人間に理解可能な情報処理のサポート

3.流通情報における、的確なセキュリティの確保

ユビキタス時代においては、何でもかんでも、人間が暗黙的に処理していた各種の情報が、明示化され流通するようになると考えられる。そうすると、大量の情報流通がはじまることが予想される。その情報流通は、まずは、インターネットのナローバンド時代のような流通混雑のような状態を生み出しうる。まずは1の問題である。
この問題の解決には、無線技術の進歩と情報圧縮があげられがちだが、そもそものプロトコルであるTCP/IPがそれに耐えられるかどうかの議論も必要になってくるかもしれない。また、TCP/IPを生かしていくという観点で見た時に、有線であれば光インフラによるブロードバンド化で対応している。しかし、ユビキタスのキーとなる無線インフラで、それはそもそも可能なのかどうか。

そして、流通情報がかつてのインターネットのメールやWebのように、人間生活において明示的に把握していた情報を、明示的に流通させるだけではなくなるのだ。例えば、エアコンの温度情報や消費電力が、毎秒毎に携帯に送られたところでそれほどの意味はないだろう。そこで、そのような情報を分析し意味付けして人間が判断可能な、明示的な情報に消化するか、暗示的なまま自動的に消化する必要が出てくる。これが2の問題である。
この問題解決には、既存の技術で培われた、データマイニング等の技術が有効であると思われるが、今まで、そこまで明示的に形式化された記号を持ってして、あらゆる情報処理をした経験は人類にはない。そう考えると、解決の技術が、それだけではいささか心許ないのも事実だ。

そして、大量に自分の制御が可能な範囲を超えて、自分にまつわる情報が流通し始めることも予想される。実際すでに、GPS携帯など位置情報を伝える機構をもつものばかりか、医療情報等の各種情報を、それこそ「いつでもどこでも必要な時に」使えるようにするために、常時流通可能な状態になっている。
この状態において、必要なポイントは、 ・伝えたい相手にのみに的確に伝わる技術
・伝えようと意思表示を明確にした時にのみ伝わる技術
の2点だ。この2点のうち、一点目に相当する技術として、既にPKIなどの技術が提示されている。しかしながら、その暗号化の限界も指摘され始めている。また、後者の技術に関しては、利便性との兼ね合いの中、意思表示抜きに情報提供が可能な仕組みに注目が集まりつつある。

2004年は、こうした問題意識が共有されつつ、ポストユビキタスをになう基礎技術の競争の年になりそうである。
見えてきているキーワードとしては、一つは量子通信だ。1の問題と3のうち「伝えたい相手にのみに的確に伝わる技術」の解決の一つの道筋になりそうであるからだ。
そうして、もう一つのキーワードが「データマイニング」だ。これ以外に2番目問題を解決するすべはないだろう。
見えてこないのが。3番目の問題のうち「伝えようと意思表示を明確にした時にのみ伝わる技術」を解決するソリューションだ。ある面で「アンチRFID」、「アンチユビキタス」ともいえる技術が、その一翼をになうのではないだろうか。

そう考えると、2004年はポストユビキタス時代に向けての胎動の時期といえ、それをになう要素技術の確立を見据えていきたいところだ。

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