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先生に聞いちゃった。教育と情報化

2003年1月 2日 23:30

北海道旭川市の凌雲高校といえば、地元では100校プロジェクト参加高校ということで、ちょっとは知られた学校です。
そして、これをリードした数学教員の奥村さんは、地域の情報化まで手がけるほど地元では有名人。ルックスは、非常に温厚で誠実な数学教師なんですね。なんか、そういうことをガリガリやっている感じには見えない人物であります。
その、(私の地元)旭川の有名人は、なんと今年から、北海道内有数の進学校札幌北高校へ異動になってしまいました。ホントは、地元旭川の情報化の展望とか聞こうと思ったんだけど、この際なので、奥村先生の考えとか情報化のありかたをみたいなことを、漠然と黒ビール飲みながら聞いてきました。

■元々は教育の一環ではじまった
「旭川の奥村先生」で有名な奥村先生がコンピューターを教育に使い出したのは、名寄農業高校時代だそうです。「名寄農業時代に生徒の方が自主的にコンピューターを使いたいと言い出したのが、情報教育に携わるようになったきっかけ(奥村先生)」というように、はじめにコンピューターありきではなく、いまいちやる気のない生徒の自主性を引き出すための一手法だったそうで、ちょうど農業の情報化などとあいまって、有効で実践的な教育となったそうです。ちなみに私の中学校のときにいた学区が名寄農業と一緒だったので、同級生で進学した連中もいたりして、ちょっとうらやましい気もします。

■転機は100校プロジェクト
そんな、奥村先生の転機になったのが、文部省と通産省(当時)が共同で推進した100校プロジェクト。いわば、混乱のドサクサで良く体制の固まっていない自分の学校のなかで、その勢いを認めさせてしまったというのが実情らしい。あとは、勢いに任せて「いけいけGOGO!」というわけではなく、結構慎重に推進して行ったようです。
それも、そのはず、「ネットという環境だけでは、生徒に活用されない(奥村先生)」からだ。たしかに、活用できる生徒も少なくはないが、「活用されるように、教育する側にも一定のフレームワークが必要」となるそうだ。ここで、ポイントとなるのが、あーしろ、こーしろというカリキュラムを決めることではないということ。
結局「カリキュラムをこなさせるのではなく、自分で考えさせることが大切」。すなわち、考えるための場のようなものをつくることがポイントとなってくるそうです。生徒と一緒に考え、挑戦するという、いわばPDS(Plan-Do-See)サイクルを一緒にまわすことが大切なのだ。そうして、このサイクルのいわば熱い坩堝に、イマドキの冷めた生徒を放りこむと、自分で考え、自律し、リーダーシップをとれる人材が生まれてくるそうです。
ネットというものを通じて、こうした人材育成が行われてきた部分こそが、凌雲高校の情報化教育のコアといえる部分といえそうです。

■情報教育の基本はナレッジマネジメント
情報教育のPDSサイクルを回していく上で、「情報教育においては、いままでの教育で事実上全く考えられていなかった、情報の『共有』『蓄積』『継承』に気をつけた(奥村先生)」。これを聞いたとき、これって、まさにいま企業で求められている、ナレッジマネジメントそのものではないかと、やや驚いてしまいました。
と同時に、こういうセンスを持った人材が奥村先生の手を通じて生まれてくることが非常に楽しみに思えてきました。教育に限らず、日本企業においてもナレッジの共有が全くなされず、知識関連産業の停滞が目に余るのも実情。その原因は、現場のスタッフがこういったセンスを持たないからというのも大きいのです。
「生徒たちは、そのままでは雑誌とかどこかで聞いたことを真似るばかり」で「自分たちの分を超えたことをしてしまい、うまく回らなくなることのほうが多い」ので、学校という環境におけるプロジェクトである以上、成功企業の事例を単純に真似たところで、限界が簡単に見えてしまうということです。こうした知識のマネージメントがあってこそ、より効率のよい優れた情報化のための手法も生まれてくるといえるでしょう。

■モチベーションを生み出す教育から
で、なにゆえ、今年から札幌北高校なんでしょう?と聞くと、「実は、旭川を離れたくないんで、校長に転勤の希望高校を聞かれたときに、ランクの高い、(先生方にとっての)人気高校を吹っかけてみました」と、意地悪そうに笑って答えてくれました。通ってしまった以上「進学校でこの(凌雲高校で確立した)フレームワークが通じるかどうか試したい」と、野心的なこともおっしゃっていました。特に、奥村先生が気にしているのは、いままで比較的モチベーションの低い生徒に、モチベーションを植え付けるための情報化教育だったのを「北高生のようにすでにモチベーションがある程度ある」生徒にどこまで通用するのか、また、「先生方もルーチンワークが確立してしまって、それ以外に手を伸ばしにくい」現状でどこまで通用するのか、課題は多いが是非ともいままでの奥村先生のように「しれっと」「なにごともなかったように」実現していったもらいたいものです。

今回は特に直接CANの話題ではないが、やはり万事が人材ということはいえるのではないでしょうか。これから奥村先生が育てた人々が世に出て、地域情報化のリーダーとして、また産業界のキーパーソンとして活躍して行くであろうことを期待しています。
あ、当然、学校の先生として活躍する人もね。

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