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こけるインターネット戦略の典型

1999年4月 1日 12:00

多くの企業では何やらインターネットは必要になってきている という認識はあるようではある。
しかしながら、たいていの場合、既存の部所の人には対岸の火事に 見えるらしい。 せいぜい、広告を流すためのテレビの代替物か、 受注をとるおまけのチャネルくらいに思っている。
はっきり言えば、こんなことではWebは成功しない。 成功したサイトと言うのは、ほとんど、Webのための企業体制を整えている。 Webの利用と言うのは、本来は企業の総合戦略の一部であるべきもので、 そこだけ取り出してどうこうできるものではない。

あきれ果てる事例を一点、紹介しよう。
こんな姿勢でWebを作っても全くもって無駄であるという 典型的事例である。

大手A生保は、かなり見栄えのきれいなWebサイトも持ち 大きなシェアも獲得している。


あるとき、「相手の指定の保険」の乗換えを行ったが、 その後、審査でその保険への架け替えが不可となった。
こちらが、「そちらが勧めた保険なのになぜそんなことが起きるのか?」と 問いただしたところ、
「個人情報は担当者にまったくわからないので、架け替えといえども、そういうことは起こりうる」とのこと。
そのいきさつ上、多少不信感があって、解約を通知。
そのときの無効の担当者の捨てゼリフが
「審査の情報は他の生命保険会社にも渡りますのでそのつもりで」


で、このことをWebを通じて、A生保のクレーム係に伝えようと思ったところ、 Webには、保険の受注以外、一切ユーザーからの声を受け付ける構造を 持ち合わせていなかったのです。


その後、仕事の関係で、このA生保の方とお会いして、某地図サイトに 営業所などを登録して、ユーザーの利便性を向上できるようにしては いかがかと提案したところ、
「営業所以外のショールームなら言いのですが、営業所はマズイですね。 そこに解約のユーザーが殺到しますから」

この1、2、3を見て、この企業がいかにWebを出す価値がない業務をしているかお分かりだろうか?

まず、1である。
Webの世界で今一番ユーザーが神経質になっているのは、ユーザーの個人情報の漏洩である。その一方で、企業側は最低限の個人情報から、「ユーザーにメリットのある提案」を生み出すことに躍起になっている。いわゆる、Webを活用したOne To Oneマーケティングである。
この生保は、個人情報をユーザーメリットのある商品開発には活用しないのに、 解約したユーザーへの嫌がらせのためには、個人情報の漏えいは行うと言っているのである。

次に2、3である。
まさに、ユーザーの声を無視して、自分の都合の良い商品を売りつけようという精神である。
Webでは、売りつける以外のことをしない。その姿勢が明確である。 Webで、商品を購入しても、その不平不満はどこにもぶつけられない。 いいかげんなものを売るだけ売って、ユーザーからクレームが来ることを 恐れる典型的な企業である。
はっきり言えば、Webでプロモーションを拡大するより先に、 適切な商品開発をして、誠実な営業を端からすれば良いのである。

日本的な企業姿勢が、Webににじみ出ている良い例と言えるでしょう。 Webの成否以前じゃないか?といわれると、その通りなのである。 多くの企業のWebというのは、そういう背景のもとに成立しているのである。 インターネット以前の企業がWebを出すのは実は大いなる無駄でしかないということだ。

大企業で、こんな程度の低い事例しかないのは、あきれる限りである。

※日経ビジネス2003.12の年末合併号P.8.にて、A生保ではないが、「第一生命が異例の和解」という形で、大手の生保の乗換に関するビジネスの不誠実さが取り上げられていた。考えてみれば、このような形で契約が取り消せたのはむしろラッキーで、すんなり契約ができていれば更なる不利益を被ったかもと思うとぞっとするものである。
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