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ボーム解釈

1998年6月 3日 00:00

量子力学の解釈の大半が波動関数がいかなる世界像を生み出すかという事を 明確にできずに多くの場合苦戦している。 多くの場合、電子は波でありかつ粒子であるといったような、 われわれの頭ではなかなかうまく考えられないものになりがちである。

しかし、ボームはその波動関数を巧みに変換する事により、 古典力学の粒子の運動方程式に近い物を導出した。 そうする事により、量子力学の世界を「明確な粒子」と「粒子を誘導する波(もしくはレール)」が存在するものと理解することを可能にした。

1粒子の場合を用いて、そのやり方の概要を少し示していこう。
位置ベクトルx=(x,y,z)とあらわす。
さて、まずは一般の波動関数をあらわすシュレディンガー方程式を考えよう。
V:古典的なポテンシャルエネルギー
v:粒子の速度 m:粒子の質量
h:プランク定数
i:複素数
t:時間
シュレディンガー方程式は
ih(∂Ψ/∂t)=-(h2/2m)∇2Ψ+VΨ
でこのとき波動関数Ψは
Ψ=R(x)exp(iS(x,t)/h)
ここまでは普通の量子力学のやり方である。
大抵は、このΨを二乗する事により確率解釈へと進む。

さて、これからがBohmのやり口である。
この二つの式を変形すると次ぎの式が得られる。
∂S/∂t=-[((∇S)2/2m)+V-((h2/2m)(∇2R/R))]
さて、この式は既存の古典力学の運動方程式と良く似た形式である。
そこで、
運動量mv=∇S
最後の項を量子ポテンシャルQとする。
Q=-((h2/2m)(∇2R/R))
そうすると、粒子のエネルギーEの方程式

‐∂S/∂t=E=[mv2+V+Q]

が描ける。ここからQを取り去ると、古典力学の粒子のエネルギーである。 この式をさらに変換する事により、個々の粒子の運動を決定主義的に 理解する事が可能である。 しかも、粒子の集合全体としての確率的挙動の性質も問題なく この理論から導き出される。しかし、ボームの解釈を展開するには多体系での煩雑さなど問題点は少なくない。さらにボームが導入した量子ポテンシャルQがいったいいかなるものかも、まだ明確ではない。

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