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観測問題

1998年4月 8日 00:00

量子力学の問題は、波動関数が何を意味しているのか? という事に集中していると言ってもいいだろう。 それを考察するのに、観測問題がある。

そもそも自然科学の理論である以上、何らかの測定に 関係する事を導き出せなければ意味がない。
それを行うパートは、量子力学自体には書かれていない。
まぁ、教科書的には、ボルンルールというのがあり、 それにのっとって解釈するのが、今のところ実験に 一致するというので支持されている。 で、一般的には、これを採用する事にする。

ボルンルール:対象の状態を波動関数Φであらわすとする。 測定したならば、ある所(E)に対象を見出す確率は、 波動関数Φの2乗のそのある所に対応した部分の大きさ (∫Φ^2dE)に等しい。 (厳密な表現にはトレースを用いる。)

じつは、この「測定したならば」の条件文が曲者なのである。

一般には、この測定も、普遍法則である量子力学の理論で 記述されていなければならない。

そうすると、測定器の状態も、対象の状態と同じように 量子力学で記述する事になる。
そうすると、測定器の状態Ψとすると、 対象の状態Φに対して測定すると、お互いが相互作用して 対象の初期状態に応じて、あるΨになる。

この時対象のΨをどのように理解するか。

これは、量子力学で記述されるのだから、 測定したならば、これこれの値の出る確率は.......。 となるので、再び、測定器を測定する測定器が必要となり、 ........。と無限後退に陥る。これが観測問題である。

そして、この無限後退を断ち切るために、 何らかのボルンルール以上の解釈が必要となる。

これを解消するためにいくつかの戦略がある。 一番代表的なのが「波束の収縮」を用いる方法である。 我々が「見る(測定する)」ことによって、はじめて この状態が、ある一つの値に(対応したもの)収縮する というものである。 これがまた、量子力学と意識の問題を持ち出すことになり、 さらには、シュレディンガーの猫の問題に直面する。

また他の戦略としては、量子力学を完全なものとみなさないものがある。波動関数を対象の状態とみなさないというものだ。一つは、粒子の集団としての振る舞いとみなす考え方が あるが、これも問題に直面する、昨今の半導体、STM等の 粒子の振る舞いは集団ではない原子、電子の振る舞いが この波動関数に乗っ取った形を取ることを示している。

さらには、量子力学の状態の記述が不完全であると考えるやり方や、その外の意味付けを加える事で状態を解釈する方法があるが、どれもうまくは行っていない。

今のところ、観測問題は量子力学では解けていない問題と いえよう。

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