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道具主義

1998年1月10日 00:00

反実在主義には様々な形態がある。この道具主義もその一つであり「科学の理論は道具である」とする立場である。
ただ、この立場は、先に反実在主義として紹介した最近の反実在主義とは異なる。
この立場はあくまでも、科学の理論は、経験に対しての適切な予測や説明を行える道具に過ぎないと考える。
言いかえると、あくまでも、科学の理論に要請されるのは経験に対して合致する事であり、その理論間の整合性や真であるか否かは全く問われない。
そして、科学の理論において直接観察されないものは実在しないと考え、 あくまでも、実在するのはわれわれが直接観察できるものとしている。

こうした議論において、良く持ち出されるのは熱力学の理論である。
熱力学の法則や式は経験の関係を表現するだけであり、多くの場合 適切な経験に対する予測を行う。そして、道具主義者にとっては、 ここに出てくる、直接観察されない概念である、エネルギーやエントロピーは、実在しないものとして扱われるが、計算上の道具として 必要なものである。
(こうした議論の後にはたいてい、原子の仮定と、実在主義の勝利の歴史の紹介へとなる。しかし、道具主義にして見れば原子も所詮は計算のための道具とみなされる)

歴史的にはマッハやドュエムが支持しかなり説得力のある立場である。
しかし、実際にこの立場は適切であろうか?
「直接観察できる」という概念は非常にあいまいであり、 また現代社会において、科学理論の仮定物(DNAなど)を全く存在しないものとして扱う事ができるであろうか。

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